Find.もじこうの人 vol.5
左:山口さん 右:岡さん

場所:今是

海峡の港町「門司港」。
この地に特別な魅力を感じ、この地を愛して止まない人たちがいます。
そんな町の人同士に出会っていただきました...

山口 初めまして。こちらのお店を始められたのはいつ頃ですか?

2017年の8月末です。前の方がお店を閉められると聞いた次の日には出店を決めていました。いつも相談する先輩の後押しもあったので。

山口 そうですか。看板も大きく出されていないので、お店が入っているのかどうかわかりませんでした。この「今是(こんぜ)」という店名にはどう言った意味があるんですか?

このお店は本当にタイミング良く出せたお店なので、「まさに今」という意味合いの中国の善の言葉をつけたんです。

山口 まさしく「今でしょ」っという感じなんでしょうね。 こうやって店内を見せていただくと、一つ一つにこだわりを感じますが、空間のデザインもされたんですか。

このお店は相談した先輩と一緒に作り上げました。僕はもともと古いものが好きで、器から入りました。古いものだと安土桃山時代の物から現代の作家さんのものまで集めています。 そこから料理にも興味が湧き、お酒やお茶、器も含めたマリアージュを独学で勉強し、お店で提供しています。最近は研究の為にお休みをいただき、色々なお店を回っています。趣味の延長が仕事になったという感じですね。

山口 なんだか楽しそうですね。僕の酒屋はすぐそこの栄町銀天街にあります。門司港は家内の実家でして、酒屋を継ぐために35歳の時に大阪から帰郷しました。もう32年前かな。人生で門司港が一番長く居る場所になりました。僕が戻って来た頃は商店街はもう少し賑やかで、門司港レトロが創生期を迎える中で、商店街も盛り上げていこうという機運でした。それから僕自身、商店街の活動だけではなく、様々な活動に携わって来ました。門司港レトロ倶楽部でのレトロタイムズ・おいしい門司港の制作、門司港アート村や門司港美術工芸研究所の運営委員、門司港はしご酒大会の運営など。20年以上が経ち、私も商店街もレトロと一緒に成長してきた気がします。近年、若い方達が門司港に少しずつ集まって来ている様子を見ていると、少し恩返しができたのかなとも思います。
また、個人的な意見としては、普通の観光地とは少し違う、アートな切り口で上質な体験を提供してくれる居心地の良い町になってほしいとも思っています。岡さんも創作するという意味では似ているものがあると思うのですが、どうでしょう。

そうですね。これは門司港に限らずなんですが、色々なお店を見ている中で、なんとなくこれくらいやればいいだろう、という作り方をされてる方が多いと感じます。やるならとことん拘ってやっていける人、それは提供するものも、空間もそうなんですが、そういうところを意識してくれる人たちがもっと増える環境を僕自身が作れたらいいなと思っています。

山口 今後どのように成長されていくのか楽しみです。フェイスブックで見たのですが、無農薬の苺を使ったドリンクが美味しそうでした。また伺いたいと思います。

はい、ぜひお待ちしています。

─世代は違えど、新しい土地で独自の感覚を持ち、 道を切り開いてきたお二人に共通点を感じました。

山口 仁さん
山口酒店 店主
山口酒店 門司区栄町5-7
熊本マリスト学園高等学校を卒業後、多摩美術大学グラフィックデザイン科入学。同科卒業後、同大学院へ。大学院修了後は大阪のアパレルメーカーなどでデザイナーを務める。1987年に門司港へ戻り、妻の実家である株式会社ヤマグチにて、酒類販売業・企画デザイン業に携わる。2002年(平成14年)代表取締役に就任。

岡 祐太郎さん
今是オーナー
今是 門司区東本町1-1-26
高校卒業後、製鉄所に就職のため北九州へ。その後コカコーラなどで働いた後、2016年に小倉で「知音(ちいん)」という食事もできるBARをオープン。2017年8月には2号店「今是(こんぜ)」を門司港にオープン。

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